アンチョビ「一万回目の二回戦」
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270: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/15(月) 22:18:34.66 ID:6Fy41Xha0

「それに、それにな」
「あの勝利だけじゃない。正しい歴史でなくとも、ループの中で起こったことは全部、どこかで起こりえたことなんだ」
「我々はそれらを全て、この身で体験してきた」
「脳みそだけじゃなくて、魂で知っている。だから――」

 人差し指で側頭部を示す。

「ここから消されてしまっても」

 そして親指で、左胸を示す。

「ここにはきっと残っている」

 私が言うと、しんと二人は静まりかえった。

 気恥ずかしくなり、「ちょ、ちょっとくさかったか」と口にすると、少し間を置いてペパロニが呟いた。

「いや姐さん格好良いっす。わたしもそれでいくっす」

 ペパロニの言葉に続き、隣のカルパッチョが頷くのが見えた。



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