塩見周子「Everything(It's you)」
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13: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/07/09(火) 19:38:46.72 ID:Y0XQqU7d0

◆◇◆

 あたしが異変に気が付いたのは、実は特にきっかけがあるわけではなかった。
 ただ急に、自覚して、『あぁ、なるほどなぁ……』と納得しただけである。
以下略 AAS



14: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/07/09(火) 19:39:17.03 ID:Y0XQqU7d0

 そんな人がずっと一緒に傍に居たら、好意を持つのは自然なことだろう。

 しかも相手は命の恩人なのである。
 もしPさんと出会わなかったら、今頃どこかの風呂で仕事をしてるか、顔にも脛にも傷がある男の愛人にでもなっていただろう。
以下略 AAS



15: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/07/09(火) 19:39:45.64 ID:Y0XQqU7d0

 つまるところ、結局あたしはそんなPさんに惚れたのだ。
 命を救ってもらった上に、今の生活の大部分を占めている存在なのだから、これはごくごく自然なことだった。
 まぁ、他に身近な適齢期の男性もいなかったことだしね。
 だからこそ、あたしもそう自覚しても『あぁ、なるほどなぁ……』で済んだのである。
以下略 AAS



16: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/07/09(火) 19:40:26.69 ID:Y0XQqU7d0

 そんな日課のような内省を行いながら、今日も事務所へと向かう。
 Pさんに車で現場に送ってもらうためだ。

 駐車場で見慣れた車を見かけ、それに乗り込む。
以下略 AAS



17: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/07/09(火) 19:41:10.71 ID:Y0XQqU7d0

◆◇◆

 そんな感じで、あたしは心中に秘めたる思いを抱きながらアイドル活動を続けていった。

以下略 AAS



18: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/07/09(火) 19:41:48.76 ID:Y0XQqU7d0

「周子、シンデレラガール、本当におめでとう! 流石は俺が見込んだ周子だ。周子も頑張ったな!」

「いやーそれほどでもー、って言いたいとこだけど、結構頑張っちゃったかな? でもPさんが支えてくれたからこそだよ」

以下略 AAS



19: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/07/09(火) 19:42:15.48 ID:Y0XQqU7d0

 そう、それはあたしが恋してしまうくらいにはね。
 既に別に好きな人がいるPさんを好きになってしまうくらいには。

「うーん……そういってもらえるならプロデューサー冥利に尽きるな。でも今回はやっぱり周子が頑張ったおかげだと思うぞ」
以下略 AAS



20: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/07/09(火) 19:42:44.53 ID:Y0XQqU7d0

「じゃあ、デートしてよ」

「は?」

以下略 AAS



21: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/07/09(火) 19:43:15.53 ID:Y0XQqU7d0

 たじろぐPさん相手に、畳みかけるように無慈悲な一言を伝える。

「それとも、これ程度でも『出来る範囲』じゃない?」

以下略 AAS



22: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/07/09(火) 19:44:08.36 ID:Y0XQqU7d0

◆◇◆

「Pさん、待ったー?」

以下略 AAS



23: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/07/09(火) 19:45:18.57 ID:Y0XQqU7d0

「なら良かった。ギリギリだったから悪いなって思ってたの」

 そうシレッと言うあたし。あたしも充分嘘つきだ。
 嘘つき同士、お似合いだったりしてね。
以下略 AAS



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