42:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:25:43.69 ID:zmX2O7Gg0
朋花「私はただイグナスさんの魂の輝きに興味があっただけです。でも生憎声をかけてきたのはあなただったので、あなたと仮の契約を結びイグナスさんとの繋がりを確保することにしたというわけです」
朋花「その仮の契約によって私があなたに托したのは、イグナスさんのエナジーを奪い取る呪いの施術だけですからね」
桃子「仮の契約……それじゃあ、私の仕事が最近さっぱり上手くいかないのは――」
朋花「あなたがイグナスさんにかけた呪いの効力が失われてしまったからですね。きっともう彼の左手には、あの刻印はないはずですよ」
育「そのとおりだよ」スッ
桃子「!! 獣の噛み痕……まさか呪いが切れたのもこれが原因…」
朋花「どうしますか、マーガレットさん。今すぐ私に魂の全てを差し出せば、私はあなたに服従いたします。尤も、私はあなたの自ら輝く意思のない魂になど興味はありませんがね」
桃子「……なんで……なんで私は、こんな……生まれたときからずっとそう……世の中に溢れる生やさしい物なんて、何一つ私に振り向いてくれなかった」
桃子「だから、嬉しかった……イグナス、あなたが私のことを女優に向いてるって言ってくれたことが。私にはただ、それだけしかなかった……」
桃子「……邪魔して悪かったわね。劇団に戻るわ。テレーザ、もうついて来なくて大丈夫だから」
朋花「そうですか」
育「待って! 君がぼくをだましてたのはわかったよ。だけど――」
桃子「さよなら。もう二度と会うことはないから」
育「……マーガレット…」
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