阿良々木暦「神原、何か飲むか?」神原駿河「私は阿良々木先輩の汗でいい」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/05(金) 23:00:17.62 ID:vXBrfRKkO
「やっぱり、降ってきたな」

不安や心配は杞憂となるのが物語の常である一方で、現実は小説よりもまた奇なりといった格言もこの世には存在しており、デートの振り出しから雨が降り出した。

「大変だ、阿良々木先輩」
「どうしたんだ、神原」
「このままでは私の薄いシャツの胸元に、あられもないぽっちが浮かび上がってしまう!」

普通はそうならないように下着を着るものだ。

「自業自得だろ」
「いや、この場合、得をするのは主に阿良々木先輩だけのような気がするのだが……」
「何を言ってるんだ、神原」

物分かりの悪い後輩に、僕はここぞとばかりに先輩らしく、務めてわかりやすく解説した。

「お前のあられもないぽっちを見て、僕は得をして、そして僕にあられもないぽっちを見て貰って、お前も得をする。ほら、win-winだろ?」
「おおっ! 破綻した論理でも自信満々に言い切ると有無を言わさぬ説得力を生むものだな!」

もちろん、自分の理論が破綻しきっていることくらい、僕にだってわかっている。
しかし、むしろ破綻した後だからこそ、再建することが出来るとも言えなくもない。

破壊と再生はどちらも結果を物語るのだから。

「しかし、私のぽっちを目撃した場合、阿良々木先輩の眼球は物理的に戦場ヶ原先輩に破壊されそうなものだが、その覚悟があるならば……」
「ほら、神原。僕の上着を着ろよ」

後輩の忠告に従い、僕はすぐさま上着を手渡すことによって、浮気認定を回避したのだった。


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