南夏奈「どうした、千秋? 頭にうんこなんて乗せて」南千秋「これはホイップだ!」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/03(水) 22:34:31.95 ID:gVt6FOa1O
「ホイップ、可愛いもん」

トイレの中で涙ぐみながら、自分に言い聞かせるように千秋がそう小さく呟くと。

「うん。僕もとても可愛いと思うよ」

扉の向こうで、藤岡の声が聞こえた。
恐らく状況を重くみた夏奈が呼んだのだろう。
優しい口調で褒められて、千秋はじんときた。

「藤岡……ありがとう」

春香曰く、父に似ているらしい藤岡の優しさと父性に触れて、ホイップとの思い出が蘇る。

これまで、千秋が大切に育ててきたホイップ。
枯れてしまわないよう、定期的に水をやり、育ち過ぎないようにこまめにカットし、絶妙なバランスで頭に乗っけてきた、これまでの苦労。

何度、残さずに切ろうと考えただろう。
ホイップに何の意味があるかと、自問した。
返ってくる答えはなく、ただそこにはホイップがあり、まるで深淵のようにこちらを見返す。
すると、憐憫にも似た感情が胸の中に渦を巻き、ごめんねと謝りながら、手に持ったハサミを取り落とした、あの日の思い出。

「ん?」

そんな切ない日々を振り返っていると、ホイップを触っていた千秋の指先にふと、違和感が伝わり、何だろうと見てみると。

「これは、鳥の、フン……!」

白い鳥のフンが、べったりと指先に付着していた。


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