静香千早「「アライブファクター」」 【ミリマス】
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17: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2019/06/30(日) 00:26:21.87 ID:+e3phmGi0
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ステージの裏は、様々な音に溢れていた。
今まさに舞台から流れてくる歌声、音楽。ファンの声援。そしてそれを支えるスタッフの細かなやり取り。行き来激しくいくつも重なる足音。出番を終え抱き合うアイドルと、迫る自曲を小さく口ずさむアイドル。
その喧騒が、静香は嫌いではなかった。
ライブという非日常の世界の中に、自分が確かに存在しているのだと実感する。
用意された椅子に浅く座り、目を瞑り、その一つ一つの音に耳を傾ける。
そうしてから、今度はその全てを排して奥へ奥へと意識を集中させる。
歌えるだろうか。
小さくない不安が、未だ、静香の中を燻っていた。
結局、千早とは満足に話ができないまま、今へと至っていた。彼女は意識的に静香のことを避けているようだった。
これまで、ライブの前には必ず優しい言葉をかけてくれるのが、如月千早という先輩だった。
千早ちゃん、優しいよね。
春香の言葉を思い出す。
静香ならやれるわ、大丈夫。
憧れの人からの一言にいつも救われ、前を向くことができた。
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