【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語Part3
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92:名無しNIPPER[saga]
2019/07/10(水) 01:17:21.90 ID:vpSm0mUm0
瞳に映るのは、脳が生み出した虚像。偽りの父親。

ゲラゲラ、と心底愉快そうに嗤い、自分を見ていた。

「よぉ、ハワード。お前も駄目みたいだな」

「…なあ、親父。俺を褒めてくれないか?」

「俺、頑張ったんだぜ。あんたみたいになろうと、必死で戦ったんだぜ?」

親に褒められようとするのは、子供であれば何もおかしくもないだろう。だが、投げ掛けてほしい、と願っていた言葉は来なかった。

「…は?俺みたいになろうとした?あれで?」

欠伸をしながら、そんなことを言うビアッジ。その眼は嗤っていた。

「馬鹿かお前?復讐なんてくだらねぇことに固執しといて、俺になる?」

「馬鹿じゃあねえのか!!戦いを、蹂躙を、混沌を愉しむのが俺たちだろうが!!!」

「鼻で嗤ってりゃ良かったんだよ。『他人の不幸は蜜の味』…そんな素晴らしい言葉があるってのによぉ」

「あ…あぁ…」

「…お前はよ、半端なんだ。そんなくだらないことで心が揺らぎ、死すらも愉しめなかったお前は、どうしようもねえ」

「お前には、その資格は無かった。俺になる資格なんて、端から持ってなかったんだ」

「…烏滸がましいぜ、お前。俺の子供(ガキ)ってだけで、良くもそんな考えが浮かんだなぁ!あ゛ぁ!?」

「う…あ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

少年(ハワード)は、空想の中ですら、尊敬した父親(ビアッジ)に否定された。


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