【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語Part3
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169:名無しNIPPER[saga]
2019/08/07(水) 00:22:23.75 ID:hlPEuZSy0
「…すまないけど、拘束を解いてほしい。こちらに抵抗の意志は無い」

「あ、そうですね」

足を解き、手を放す。首を擦りながら、ネスリンは呟いた。

「何でも良かったのさ。地球から離れることが出来るなら、何でも」

「あそこにいたら、また私は思い出す。喪失の痛みを、苦しみを」

「…あんなものをまた味わうくらいなら、忘れている方が良いよ。彼も、それを望んでいた」

「『俺の存在が苦しめるのなら、記憶から消して構わない。君の悲しい顔は見たくない』」

「…戦争で辛い思いをするのは、いつだって末端の者や無関係の人々さ。上の人たちは、甘い蜜を啜るだけ」

「分かっていたけど…それをはっきりと理解するには、犠牲を払うしかない。…何とも悲しい話だね…」

浮かんでいたナイフを愛おしそうに抱き締め、ネスリンは涙を零した。


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