【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語Part3
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168:名無しNIPPER[saga]
2019/08/07(水) 00:12:48.86 ID:hlPEuZSy0
「驚いたよ。君がいれば、今回の任務は大丈夫そうだね」

「ネスリンさん…でしたっけ」

「ああ」

自販機で珈琲を購入するリヒトの隣に近付くネスリン。リヒトが場を空けると、ネスリンはミルクティーを購入した。

壁に寄りかかって珈琲を飲む。ネスリンはその前、自販機の横に立ち、ペットボトルのキャップを外す。

「…羨ましいよ。君ほどの力があれば、私も大切な人を喪わずに済んだだろうに」

「アームパイロットとしての話、ですか?」

「はは、違うね。私はこれでも、元YPJ(クルド女性防衛部隊)所属でね。と言っても、分からないか」

「いえ、俺は連合の国民なので。加盟国のことなら、ある程度は分かります」

「それで、羨ましいっていったい…ッ!?」

突如ナイフを抜いたネスリン。リヒトは左手で右手首を押さえ、蹴りを繰り出そうとしていた左足を踏みつける。

そのまま、力任せに振り回し、壁にネスリンの身体を打ち付ける。

ナイフが手放されたのを確認すると、左足をネスリンの右足に絡みつかせ、リヒトの後ろにある壁に押し付けた。

「が…あぁっ!!」

「流石…だね…!!こうもあっさり…組み伏せるとは…」

「…そういうことですか。急に手を出すのはやめてくださいよ」

喉元に右前腕を押し当て、拘束する。身動きを取らせないまま、リヒトは問い続ける。

「…何でこうしたかは、まぁいいでしょう。理由は何となく分かる」

「あなた、何でこんな仕事してるんですか?前に『ノア』にも応募してましたよね?」

数か月前のクルー募集。その時に、彼女の履歴書に目を通した記憶がある。

前々から、疑問に思っていた。経歴と仕事が噛み合っていないのだ。

もっと大手の企業に行けるはずなのに。相応しい場所があるはずなのに。こんな仕事を選んでいる理由。

何故。どうして。そんな疑問が浮かんでいた。


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