【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語Part3
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138:名無しNIPPER[saga]
2019/07/15(月) 01:57:53.42 ID:AvHoSOaq0
某日、イシュマエルは困惑していた。本当に、珍しく、困惑していた。

どうして、こんなことになっているのだろう。

「ふんっ…!」

「むぅ〜〜〜〜!!!」

恋人『イェレナ』の実家に連れられたイシュマエルは、チビチビ、とミルクを味わっていた。

その隣で、イェレナはお冠に、その父『ゴラン』は腕を組み、不機嫌な表情をしていた。

「いいでしょパパ!エノクと結婚しても!」

「駄目だ!こんな小さい子供に、お前をやるものか!!!」

「エノクは大人だって前から言ってるでしょうがぁぁぁぁぁあっ!!!!!!」

ギャーギャー騒ぐ親子をよそに、イシュマエルは義母と話をしている。

「このミルク、どこで買っているのですか」

「近所のスーパーよ。エノク君背が小さいから、いっぱい飲んでいいわよ〜」

「母さん!何か言ってくれ!」

「ママ!結婚しても良いよね!」

「あらあら。あなた、今になってもぷりぷりしてるのね」

「結婚式場のパンフレット、端から端まで目を通してたのに」

「ブボッ!!!」

「きったな!」

「大丈夫か?」

「…ありがと、エノク」

珈琲を顔面にぶちまけられたイェレナの顔を即座に拭くイシュマエル。イェレナは感謝を伝え、手を握った。

「…パパ。私ももう大人なの。自分のことは自分で決めるわ」

「いくつになっても、お前は俺たちの娘だ!俺が認めない限り、勝手な結婚は許さん!」

「大体、PMCなど危険にも程がある!もし、イェレナに命の危機があったらどうするつもりだ!」

「俺が戦う」

「俺が戦い、護る。それが、俺の戦う理由だ」

「………!?」

「奪うためではなく、護るために。そのために、俺は武器を取る」

「あの時から、俺の戦う理由は変わらない。大切なものを護るために、戦うんだ」

真っすぐな視線を向けられたゴランは黙り、頭を掻きむしる。そして、諦めたように頷いた。

「…娘を泣かせたら、許さんぞ」

「分かっています」

「え、あ…えっ…!?」

「言ったそばから泣かせたな貴様ァ!」

「…これは、俺が悪いのか?」

「今夜はお赤飯ね」

今宵、一組の夫婦が誕生した。


ノア改装終了まで残り 一週間

↓2 自由安価。


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