【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語Part3
↓
1-
覧
板
20
137
:
名無しNIPPER
[saga]
2019/07/15(月) 01:37:02.19 ID:AvHoSOaq0
「そういえば、あれ。誰が送って来た物なんですか?」
「あれ、か。俺の身内だよ」
「…てっきり、天涯孤独だと勝手に思ってました」
「言ってなかったからな。こんな仕事をしてりゃ、そう思ってもしょうがない」
「…ま、貧困層の出だ。どうなってるかは想像に任せるよ」
「と言われましても…」
自身も似たような身だが、何とも言えない。両親の残した遺産がある内に、今の仕事にありついた。
それからずっと、リーゼの治療を続けてきた。自分に充てられる資金はあまり無かったが、金で困るようなことは記憶の中には無い。
所持金が少ないという点でいえば、貧困層と言えるかもしれない。だが、総資産だけでいえば、富裕層のそれと変わらなかったのだ。
だから、イメージが出来ない。
「………」
「…そんな顔するなよ。何でそんな絶妙に気まずい表情なんだよ」
「いやぁ…」
想像に任せる、と言われ想像しても、何も思い浮かばない。気まずい表情になるに決まっている。
「…あの」
こんな空気を長引かせるわけにはいかない、と口を開くリヒト。流れを変えるついでになってしまうが、伝えておきたいことがある。
「いつも、ありがとうございます。一緒に戦ってくれて、気遣ってくれて」
「ボァブさんがいなかったら、俺が死んでいた時もありました。冥王星のあれとか特に」
何かある時、先陣を切ってくれるのは、いつもボァブだった。その献身に、どれだけ救われたことか。
「…リヒト。そういうの、もうちょい言うべきタイミングがあると思うんだよ…。俺が言うことじゃあないけど」
「ですよね…」
照れ隠しに、リヒトはそっぽを向いて頬を掻いた。
そんなリヒトを見たボァブは、温和な笑みを浮かべ、泣いた。
こんな俺でも、誰かの役には立てるんだな。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
238Res/102.29 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
書[5]
板[3]
1-[1]
l20
【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語Part3-SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1561299805/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice