ルビィ「前略、スカーフを結ぶのが上手くなりました」
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名無しNIPPER
2019/06/19(水) 18:54:10.31 ID:7L9xASmvO
ふと、手に握られた布の感触を確かめる。さっきまで自分の首に巻き付けられていた、スカーフ。サラサラとして、手に伝わる感覚が心地よい。
浦の星女学院では、学年ごとに色の誓うスカーフを付けるのが校則で決められていた。学校が変わった今、それを強制する校則は無いにしろ、やはり、今まであったものをなくす、というのは何となく気持ちが悪いし、何より不格好だ。
リボンほど派手ではない、ネクタイほど地味でもない。静かに、一点、アクセントを残す布、スカーフ。
ルビィ「(そういえば、結局善子ちゃんが急拵えで結んでくれたっけ)」
あの後、始業を知らせるチャイムが鳴ってしまい、善子は急ぎで、簡易的な結びをルビィの胸元に作り上げてくれた
あの二人だから、笑って受け入れてくれたが、新しく同じクラスになった、見ず知らずの人に知られたら呆れられてしまうかもしれない。そう思うと、少し、気持ちが萎む。
ルビィ「(流石に、出来なきゃ……だよね……それに、何より)」
朝の一悶着の間に、何気なく発せられた言葉が、頭の中をぐるぐると回る。
花丸『ダイヤさんは今いないから、とりあえずマルが直してあげるずら!!』
お姉ちゃんは、いない。
いくら簡単な事でも、自分で出来ないとならない。人に頼らずに、自分の手で。
……その簡単な事を、出来ていないのだけれど。
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