加蓮「カミサマなんて信じない」
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19: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:31:21.83 ID:tLeGcQVf0

「へー……。『運命の出会いなんて信じてなかった』なんて持ち歌で歌ってるクセに?」

「ですから謝ってるじゃないですか、『神様ごめんね』って。……というか加蓮ちゃんだって歌ってるじゃないですか、『神様がくれた時間』って」

 そう言って痛いトコを突いてくるまゆを完全に無視して、私はまゆの話を聞く態勢に入る。
 それを察したのかまゆも深追いはせず、自分の話を切り出す。

「まぁ、まゆが信じてるのは神様というより運命の出会いですけどね」

 そんなこと言いながらウットリした顔を浮かべるまゆ。きっとまゆの担当プロデューサーさんのことを思い浮かべてるのだろう。
 どうせこうなるってわかってたんだから、話なんて聞かなきゃよかった。既に後悔。

「そうなんだ。赤い糸なんてどこにも見えやしないけど」

「それは加蓮ちゃんが神様を信じてないから見えないだけじゃないですか?」

 グッ……! 何も知らないはずなのに嫌なところを突いてくる。
 もしかしたら最近の私がカミサマについて聞き回っているのを知った上で嫌味かもしれないけど……。
 でもきっとまゆの事だから自然に出た言葉なんだろうな。
 
 それはつまり、自身の信条を示してるっていう証拠なんだろうけど……。

「まゆにはちゃーんと見えてますよ。プロデューサーさんとの赤い糸が」

「ふーん。そんなのがあるんだったら、試しにちょん切ってあげようか? 今ならタダでやってあげるよ?」

「切っても切れない縁っていう言葉を知らないんですか? どんなに他人が切り裂こうとしても、まゆとプロデューサーさんはガッチリ縁で結ばれてるんですよ」

 全くこれだからまゆは……。運命とか赤い糸だとかを根っから信じる上に、それに乗っかってアプローチしまくりだから手に負えない……。

「それが神様のおかげだって言うの?」

「そうですよ。だってそうじゃなきゃ、きっとあんな素敵な人に、まゆのプロデューサーさんに出会えなかったわけですから」

「ケッ……。そいつはおめでたいことで」

 そう言い放ってから汚い言葉を使ってることに気が付く。ついついまゆ相手だと悪態をついてしまう。
 気を許してるってことなのかな? なんとなくまゆ相手だとそんな自分が出てしまう。



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