104: ◆on5CJtpVEE[saga]
2019/06/18(火) 21:15:49.41 ID:5Y2de4vS0
「悩んでいるんだろう」
「えっ」
空を見上げたまま、兄ちゃんが呟いた。
いきなり図星を指されて、真美はとっさに上手い返事ができなかった。
「なんで、そんなこと……」
「真美のことは、見てりゃ分かる」
兄ちゃんはくすくす笑ってから、真美の頭に手を載せた。
「アイドル、辛いか」
「辛くなんかないよ!」
アイドルは、辛くないよ。
そーじゃなくてね、真美は。
続く言葉が出てこなくて、視線だけが逃げるように泳ぐ。
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