佳奈多(今更直枝に甘えたいとか言い出せない・・・)
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23:名無しNIPPER
2019/11/16(土) 01:16:56.54 ID:fpJBKFLt0
佳奈多「ぐ・・・ご馳走様」

理樹(彼女はそういうと目をごしごしと擦り、お弁当箱をかたずけていった)

理樹「佳奈多さん・・・ごめん・・・」

キーンコーン

理樹(片付けが済むと、学校の予鈴が鳴った。佳奈多さんは次の授業でクラスメイトに弱気な表情を見せたくないのか、携帯の小さな液晶を鏡代わりにして空いた片手で頬っぺたを伸ばしたり引いたりして顔を無理やりキッといつもの強気な表情に戻した)


佳奈多「よし・・・」

スクッ


理樹(そしてベンチから立ち上がると、そのまま凛々しい表情で裏庭を去って行った。しかし、その歩きはどこかふらついているようにも見えた)

理樹「・・・・・・っ」

ゾクゾクッ

理樹「!?な、なんだ今のは・・・」





理樹・真人部屋

理樹「ううん・・・」

真人「どうした理樹、寝れねえのか?」

理樹「ちょっとね・・・」

真人「俺に出来ることと言えば筋肉子守唄を披露することぐらいだが・・・」

理樹「ありがとう、でも遠慮しておくよ」

理樹(ずっと今日の昼の事を考えていた。彼女が心配なのもそうなんだけど、それ以上に引っかかるのは僕の、僕自身の感情だった。あの時、いつもは生徒の見本であろうと誰より気を張っていてカッコイイ佳奈多さんが、涙を浮かべながら弁当を食べていた時、僕は何故かとても心の中にドロッとしたゼリーにも似たような温かい快感のようなものを感じたのだ。もちろん、あの状況でそんなことはあり得ない。彼女を嫌っている人間ならともかく僕は彼女の事を愛しているのだから。まったくあの時の僕はパソコンのバグのように狂ってしまったのだろうか?自分で自分の事が腑に落ちない)

真人「眠れ〜眠れ〜大胸筋〜〜♪」

理樹(だがいくら考えてもそれと言った答えは出てこなかった。もう忘れた方が良いかもしれない。それより明日は罪滅ぼしではないけど佳奈多さんを目いっぱい甘やかそう。そう、明日はそうしてもいい日なのだから)



同時刻

佳奈多・葉留佳部屋

佳奈多「・・・・・・」

葉留佳「お、お姉ちゃーん・・・?どうかした?」

佳奈多「・・・何も」

葉留佳「そ、そういえば理樹君お弁当どうだって?」

佳奈多「・・・もう寝るわ。おやすみ」

ガバッ

葉留佳「・・・・・・い、嫌な予感がする・・・」


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