佳奈多(今更直枝に甘えたいとか言い出せない・・・)
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20:名無しNIPPER
2019/11/16(土) 00:07:27.49 ID:fpJBKFLt0
佳奈多(私は書類を分類しながらこれまでのあーちゃん先輩の仕事ぶりを思い出していた。今まで私はこうやって寮長室で出来るような仕事は手伝っていたけど、これからは寮内で起きたことは率先して自分で出向いていくのだ。彼女は多くの生徒から信頼されていたが、どちらかと嫌われ役だった風紀委員を務めていた自分にそれが出来るだろうか。そんな事ばかりを考えていた)

理樹「ねえ佳奈多さん」

佳奈多「なによ」

スッ・・・

佳奈多「ひっ!?」

佳奈多(直枝の声に首を動かさず返事をした直後、背中から優しい温かみを感じた。それが直枝の抱擁による物であることに気付くのに時間はかからなかった)

佳奈多「な、直枝!?あなた何をやっているの!?」

理樹「なにって見ての通りだよ。なに、誰も見てないさ」

佳奈多「み、見てないけどっ!」

佳奈多(とても予想外の衝撃だった。直枝とは付き合っているとはいえこういういわゆる”恋人ムード”というのに積極的になる訳がないと断定していたからだった。まあ、だから昨日ああして葉留佳に相談もしたんだけれど)

理樹「いつ見ても綺麗な髪の毛だ。ミントの香りも素敵だ」

佳奈多「な、なあ!?」

佳奈多(今のは本当に直枝が言ったんだろうか?まさかこれまで一度も女の子と付き合った事どころかデートの経験さえなさそうなこの男が、こんな歯が浮くようなセリフを言うとは)

佳奈多「は、離れて!」

スッ

理樹「あっ、ご、ごめん・・・やりすぎたかな」

佳奈多「や、やりすぎたっていうかいきなりすぎるというか・・・いや、ほら・・・作業も残ってるし・・・」

佳奈多(心臓の鼓動がかつてないほど高まっている。確かに積極的にきてほしいとは葉留佳にも言ったけど、いきなりこんな風にこられても心の準備がまったく出来ない)

理樹「昨日佳奈多さんが言ったんじゃないか・・・まあいいけど」

佳奈多(今日は朝からシャワーを浴びててよかった。今日はハンバーグを食べたけど制服は匂わなかっただろうか、いや、それより口臭がまずい!こんなことなら食後の歯磨きをさぼるんじゃなかった!なんたる失敗)

佳奈多「ブツブツ・・・」

理樹「佳奈多さん・・・?・・・まあ、今日はこんな所でいいか。ええと明日はちょっと冷たくしたらいいんだっけ・・・」



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