【ミリマス】私という撫子の
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24: ◆DbvMVEE3z2[sage saga]
2019/06/16(日) 00:32:34.95 ID:RAUxaTtJ0
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 小さな不安は消えないまま。十三歳の春、家族で日本に引っ越した。

 ようやく地面を踏んだ日本は思っていたよりも洋風だった。都会には高い建物が立ち並んでいるし、少し道を外れてみても木造住宅よりも鉄筋でできた住宅ばかり。
 本で見たような風景は多くないのだと知った。

 日本を歩く女性も着物を着ている人はほとんどいなくて、見渡す限り洋服ばかりを着ていた。せっかく着物が似合うのにもったいないと思った。
 忍者や侍がいないことはなんとなく知っていたけれど、ここまで違うとは知らなくて。憧れの土地にいざ来てみたものの、どうやらここでも大和撫子になることはそう容易くはないらしい。

 どうしたら近づけるのだろうか。ここでしかできないことをやらなければ大和撫子にはなれない。

 だけど何をすればいいのかちっともわからない。日本画をやるのか陶芸をするのか華道をするのか。空手や剣道でもいい。知識として知っている様々な日本の文化が思いつくと同時に、だけどどれもなんとなく違うような気がした。

 私がなりたい、大和撫子ってなんだっけ。
 そんなことを考えてばかりで特に何もできずに時間だけが無情に過ぎていく。



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