【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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60: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/15(土) 00:26:02.18 ID:xNFFfoZD0

 立ち上がり、深呼吸を繰り返す彼女は、すっかりいつも通りだった。

「もう遅いです。今日はこのくらいにしておきましょう」
「珍しいですね、いつもは粘る方なのに」

 そしてもう帰ろうと言うのは大体こっちの役割だった。
 高垣さんはまだへたり込む俺の前にしゃがみ込み、指でつんつん脇腹をつついてくる。

「ぐえっ、ちょ、やめ」
「だって、私が帰ろうと言わないと、あなたもここから降りられませんよ」

 …………それもそうだ。




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