【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
1- 20
42: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 23:22:06.00 ID:DTY4fa360

「ありがとうございます。ですが、遠慮させて下さい」

 即答する。
 部長は冷えた缶コーヒーを手に、ほんのわずかに表情を曇らせた。

「……お父上の件は残念だった。しかし、決して彼の力不足だったんじゃない。むしろ最善を尽くしたと言ってもいい」
「結果は、結果です」
「今は時代が変わっている。君がもしあのことを気に病んでいるのなら……」
「……せっかくのお誘いですが、向いていないと思います。コーヒー、ご馳走様でした」

 奢ってもらったコーヒーは、結局開けることもなくポケットにねじ込んだ。
 頭を下げ、機材のダンボールと共に去る俺を、部長は何も言わずに見送っていた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
328Res/204.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice