【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/14(金) 23:22:06.00 ID:DTY4fa360
「ありがとうございます。ですが、遠慮させて下さい」
即答する。
部長は冷えた缶コーヒーを手に、ほんのわずかに表情を曇らせた。
「……お父上の件は残念だった。しかし、決して彼の力不足だったんじゃない。むしろ最善を尽くしたと言ってもいい」
「結果は、結果です」
「今は時代が変わっている。君がもしあのことを気に病んでいるのなら……」
「……せっかくのお誘いですが、向いていないと思います。コーヒー、ご馳走様でした」
奢ってもらったコーヒーは、結局開けることもなくポケットにねじ込んだ。
頭を下げ、機材のダンボールと共に去る俺を、部長は何も言わずに見送っていた。
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