【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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264: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/09/03(火) 01:17:29.66 ID:/BT2JQWN0

「こんばんは、クロさん」
「どうして……ここに」
「あなたの様子を見て欲しいって、総代に頼まれたの。どこかで途方に暮れてないかってね」

 その時、情けないことに、俺は心から安堵した。

 ずっと張りつめていた緊張の糸が切れてしまった。

 まだ見捨てられていなかったと、戻ろうと思えば戻れると。
 それは甘い毒のような安心だった。

 たった一瞬でも「疲れ」を自覚してしまった時、驚くほど足が重くなる。
 これほど疲弊していたのかと、我ながら戦慄するほどに。
 身の縮むようなため息が出て、それきり、前にも後ろにも進めない。




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