【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
1- 20
229: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/08/22(木) 23:46:01.12 ID:rmOYl90d0

   〇


 目が覚めると、医務室だった。
 改めて検査してみても、体には何ら異常なし。働きすぎで目が回ったのだろうと医療スタッフに言われた。

「……すみません、こんな時に……」
「いえ、いいんですよ。体を大事になさってください」

 一礼して医務室を去ろうとしたところ、スタッフがメモ用紙を一枚渡してくれた。
 川島さんの書き置きのようだった。

 そうか、あの人にも心配をかけてしまった。後日お詫びしなくては……。
 いや、今はそれよりも。

 目覚めた瞬間から気付いている。
 会場の果てから果てまで行き渡り、外にまで響いて、今も足元をはっきり揺らす巨大な震動がある。


 音楽と、人の歓声だ。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
328Res/204.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice