【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
1- 20
222: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/08/22(木) 00:42:36.08 ID:rmOYl90d0

 どうしてそんなことが気になるのだろう。
 川島さんは立ち止まり、またほんの少しだけスタッフに合図して、天井を仰ぎ……

「…………これは、言わないつもりだったけど」

 何かを、決意した。

「楓ちゃんね。君のこと、よく話してたのよ」

「……俺のことを?」
「こんな人がいて、こんな場所で飲んで、こんなことをした。こんなことを話して、こういうことをした……って」

 振り向く彼女の笑顔は、優しかった。
 その時、確信があった。川島さんは俺のことを、俺が思うより前から知っていたのだ。
 こちらから接触する前に。
 高垣さんの話から……いわば「友達の友達」みたいな距離感で。

 だから最初に会った時、あんなに親しげだったんだ。

 ……頭の中で、何か大きな前提が崩れ去ろうとしているのを感じる。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
328Res/204.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice