【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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203: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2019/08/22(木) 00:10:22.51 ID:rmOYl90d0

  【 冬 : 君と出会う 】


 転げ落ちるように冬になった。

 このところは気温の低下と日没の早まりがはなはだしい。
 急激に深まりゆく冬の気配に押されて、会社は徐々に慌ただしくなっていく。

 特にアイドル部門は、年越しニューイヤーライブの準備に大忙しだった。

 舞台芸能はどこもそうだが、裏方にとっては準備期間こそ本番。
 アイドル部門で働く人々は今日この時が戦場とばかりに社内外を駆け回り、「アイドルの舞台」を一つ一つ構築していく。
 部門に所属するアイドルたちも毎日がレッスンの連続で、レッスンルームが空いている時間が無い。

 一年の集大成。春から駆け抜けた新規アイドル部門の、ひとつの結実。

 そのような意味を込め、川島瑞樹率いる第一芸能課を筆頭として、みんながラストスパートをかけていた。
 厳しい寒さをものともせず。同じ方角を見て、一直線に。


 俺は――




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