【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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12: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 00:53:33.97 ID:DTY4fa360

「22時……」

 終電まで時間はある。
 一番の盛りを過ぎたものの、街はまだ騒がしかった。春先の涼しい夜風に、酒気を帯びた熱が混ざって頬を撫でる。

 まだ、もう少しここに残ろうか。

 今夜に限って飲み足りない気分だった。
 この浮かれた夜の衣に包まれていれば、余計なことを考えないで済むような気がして。

 思い立った時、気付けば足は駅から離れていた。
 浮き上がるような頭で考える。どこかいい店があったかな。どこへ行こう。どこへ行けるだろう――


 ――どこへ行ったんだろう。




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