【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/06/28(金) 00:19:27.05 ID:XbZcdmSM0
千川さんはそれ以上、何も言おうとしなかった。
あとは実物を見てわかってもらうしかない。書類をまとめ、会釈して事務所を後にする。
「最後に、もう一つ聞いていいですか?」
ドアを開けた時、後ろから千川さんの声がかかった。
「……何です?」
「その企画が本当に走り出したら、Pさんはどうするんですか?」
愚問だ。それこそ考えるまでもない。
「どうもしません。最初のきっかけを作って、ベテランにパスするだけです」
イメージ的に。諸々の手続き的に。
ここから先、一切のノイズがあるべきではない。身の程をわきまえなければならない。
なんとなればこの346の城において、俺はただの使用人でしかないのだから。
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