【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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110: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/28(金) 00:18:22.57 ID:XbZcdmSM0

「すみません。ただ、なんというか……その。アイドルは、リスクが大きくて」
「リスクなんて、どこで活動しても同じじゃないですか」
「違います! アイドルは、違うんです。あれは……明日には、何が起こるかわからない。そんな世界でしょう」

 リスクこそ大敵だ。地ならしの済んでいない道を避けるのもひとつの選択だろう。
 考えうる限り最も大きな失敗を、一度この目で見てきたんだ。
 
 熟慮に熟慮を重ねた結果だった。

 なのに千川さんは、複雑そうな表情を変えることがない。

「……そんなPさん、初めて見ましたよ」

「え……」
「私には、あなたが何かを恐れているみたいに見えます」

 予想だにしない切り込み方に、一瞬硬直する。
 だけどこれが最適解に違いない。
 どう思われようと、ここまで来たらやるしかないんだ。




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