【ミリマス】馬場このみ『衣手にふる』
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49: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/31(土) 00:29:43.70 ID:BiyDrPqgo
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桃子と別れたこのみは、例の書類の束を持って、レッスン室へ向かっていた。
とはいえ、昼のような調子で張り詰め過ぎるようなことをするつもりはもうなかった。
役作りに充てられる時間はまだ十分あるし、視野が狭まっている状態ではいいものは当然できない。
そして何よりも、大切なものに気づけたのだから。

「『私だからできるあの子』、か。」

シンシア役のときは言葉にして考えられていた訳ではなかったが、それは確かにそこにあった。
今はまだ分からないけれど、『あの子』のそれも、きっと今の自分の中にきちんとあるものなんだ、と今ではこのみは自然にそう思えた。



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