276: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 01:02:59.71 ID:Bg3Eqo0s0
「でも、まだ……。今日の公演は、終わってません。……そうですよね?」
彼は、言葉を飲み込んで、溢れる気持ちを抑えるようにして、そう続けた。
彼は涙を拭きながら、このみにあるものを差し出した。
それは、ハンドマイクだった。
イメージカラーである桃色のシールが小さく張られた、このみのハンドマイク。
このみは右手を伸ばして、そっと受け取った。
マイクを握って、このみは小さく笑った。
「……ええ、もちろんよ。仲間のみんなにも、ファンのみんなにも。みんなに、会いに行かなくちゃよね!」
このみはそこから、ステージを見た。
ぱあっと、視界が明るくなる。
ステージライトが眩しかった。
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