【ミリマス】馬場このみ『衣手にふる』
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236: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/11(木) 23:52:31.56 ID:E/BVepxA0

扉を開けると、ピアノの音に支えられた、透き通った歌声たちがこのみの元に飛び込んできた。
舞台袖からは、まつりたちがステージ上に投げかけられた一筋のライトに照らされ、歌っているのが見えた。
 瞳の中のシリウス──貴音、まつり、美也、海美の4人が織りなす透明な世界には、
風吹く冬の夜の冷たさだけではなくて、心が融けだしていくような、そんな暖かな輝きがあった。
壁際に据え付けられたモニタには、客席後方から見たステージの様子が映し出されていた。
そこでは、会場を包み込むバラードに合わせてサイリウムの波がさざめいていた。

楽曲が終わると、会場中から拍手と歓声が溢れだした。
ステージが暗転して、それから辺りはまた静かになる。
観客たちの息をのむ音が聞こえてきそうだった。
しばらくして、次の楽曲の旋律が静かに始まって、波間はその色を変えた。


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