【ミリマス】馬場このみ『衣手にふる』
1- 20
233:(12) ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/11(木) 22:10:33.56 ID:E/BVepxA0

このみは莉緒と春香を見つめて、そう言った。
その声は、まるで誓いを立てるかのように真っ直ぐで、芯が通っていた。

「莉緒ちゃんの雪女は、普段の莉緒ちゃんとは全然違う子だけど、すごく莉緒ちゃんらしくって。
……だから、私は私らしく、私のやり方でやるべきなんだなって。今はそう思ってるの。」

『私は私らしく』。
それがこのみの結論だった。
なにも、役に自分を重ねて演技をする、と言うわけではない。
これまで歩いてきた道のりを誇れるように、胸を張って前に進むために、自分だけの道を進んでいく。
そのために、今の自分の全てで、物語に生きる人間を演じよう。

憧れや理想が、途轍もなく眩しく見えることがある。
私にとってその眩しさは、焦がれるほど追い求めたものだった。
だから手を伸ばして、一歩ずつ歩いてきた。
けれど、その眩しさを求め追いかけても、きっとその先にあるのは『私じゃない』。
私が胸を張っていられるように、私は私だけの道を進もう。
その姿が、いつかきっと、誰かに伝わると信じているから。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
321Res/210.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice