212: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/06(土) 21:22:46.44 ID:3DhfCsSR0
二人は、オーディションが行われる会場近くのコインパーキングにいた。
彼が運転席側のドアノブに触れると、電子音と共に鍵が閉まる音がした。
それを確認して、二人は歩き出した。
「今さらだけど、別に送ってもらわなくても大丈夫だったのよ?」
「いえ、俺がしたくてしてることですから。あと、できれば監督に挨拶をしておきたいというのもありましたし。」
「挨拶?」
このみがそう聞くと、彼は少し答えにくそうな様子だった。
「ええと、今回はたまたま向こうから声をかけてもらえたんですけど、あんまりうちの事務所とコネクションがある訳じゃないんですよ。まあ、それが理由ですね。」
「なるほどね。……そういえば、前に言ってたわね。
スタッフさんの中に『屋根裏の道化師』を見てくれた人がいて、それで偶然声を掛けてもらった、って。」
「ええ。なので、他のアイドルも含めて、今後同じようにオーディションの話を貰えるかは分からなくて。
次回以降も声を掛けてもらえるように、事務所としても、さりげなく765プロをアピールしておきたいんですよ。」
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