少女「愛してるって言って」少年「………」
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214: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/06/06(木) 20:55:34.13 ID:WrefR8ekO


少年「……なぁ、疑問なんだけどさ、どうして俺は犬じゃなく、この姿なんだ?」

女「……あの子がそう望んだからよ」

少年「少女が?……そういえば、このスカーフを見てからずっと引っかかってたんだけど、あの物語に出てきた同胞ってやつに見た目がそっくりだってことは思い出したよ」

女「そうね……そいつはそこに転がってる間抜けな男の中に入り込んだようだけど」





侍男「」





女「もしかしたらこいつが"少年"になってたかもね」

女「でも選択したのはあの子の心。見た目はおまけに過ぎないわ」

少年「……"犬"は望まれたの?」

女「へこたれてるんじゃないわよ。あんたのモデルは、ただあの子が好きだったからっていうだけよ」

女「あの子はね、無垢である犬に、あんたに一緒にいて欲しかったの」

女「……でも、知識を得たあんたは一人歩きを始めてしまった」

少年「……少女の記憶を戻したこと、か?俺が記憶を見せなければ、ずっとここに居られたんだよな……」

女「そうよ。あんただけが予測がつかないものだった」

女「だって犬でしょ?知識を得た犬の行動なんて誰にも分からないわ。制御できない"心"を持っているから」

女「あんたがあの時盗み出したカバンは、今の持ち主が意図せず保管していたバックアップデータ。だからあの子に書き換えられる前のデータが残っていたのよ」

少年「俺のせいで、少女は……」

女「覆水は盆に返らない。過ぎたことを悔やんでもしかたないわ」





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