10: ◆RZFwc/0Dpg[sage saga]
2019/05/31(金) 22:20:47.87 ID:kcSV+mvpO
── 春 ──
「はぁー……久しぶりのお酒、美味しかったーん」
白く光るスピカの下、彼女は気持ち良さそうに声を上げる。ふわりと何処からか淡く、梅の花の香りがした。
二人だけのひっそりとした祝勝会の帰路だった。
昨日行われたライブは無事に成功した。見る者全てが酔いしれ、熱くなるような良いライブだった。そのパフォーマンスは間違いなく、周子の隠しがちな努力に裏打ちされたものだった。
晴れ晴れとした周子の顔を見るに、やはりこれまで不安や重圧を感じ続けていたのだろう。
飄々として見える彼女も、その影では戦いの日々を送っている。
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