【天華百剣】('A`) 大事なことは全部春画が教えてくれたようです【ブーン系】
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2: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/05/29(水) 22:53:38.32 ID:Iq0r0Jv20
人生を振り返る瞬間なんて、そんなに多くは無いだろう
死の淵に立たされて初めて、人は記憶という著書の頁を開く
その現象に、年齢は関係は無いらしい。寧ろ若い分、脳裏に過ぎる記憶はどれも新鮮で色鮮やかだ

閻魔様に『人生は幸福だったか?』と聞かれたのならば、『他人よりかは』と答えるだろう
良家に産まれ、才気に溢れ、街を歩けば嫉妬と羨望の眼を向けられるほどには、器量良しだった
そして、俺の将来の為に両親が築いた政界への道をキッパリと断るほど、跳ねっ返りだった

文明開化を迎えた日本は、急速に『未来』が配備された。その名は、『機械』というものだった
かの国『英吉利』でいち早く迎えたと言う産業革命。開国した日本は、ようやくその恩恵に預かれ始めたのだ
大量生産、大量消費。富国が更に富む為に必要な生産能力を発揮する鋼鉄の労働力
俺はそれに強く惹かれ、気づいた時には単身、英吉利へと渡った。機械技師という夢を追って

留学を終えた俺は、あるツテを頼って製糸工場の専属技師として抱えられた
日本にある工業機器は殆ど輸入品という現状。それを調整、修理が出来る存在は貴重だった
それに、指導員として若輩……つっても、俺もそうなんだが、後輩に教鞭を振るう事もあった
華々しいとは言えなかったが、充実した日々だった。油と傷で汚れ、ごわついた掌を見る度に何度も誇らしさを感じた
未来に携わり、人々の生活を、引いては日の本を豊かにする。そんな使命感さえ抱いていた




だが俺は、そんな『夢』に浮かれていたのだろう。根本的な社会の『仕組み』から目を背けていた
いくら機械を導入し、生産や輸出を行ったところで




富める者と貧する者の差は、縮まらないと言う事を
強者は弱者を食い物に、のさばり続けると言う事を


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