49:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 15:41:03.94 ID:VZdRWGZA0
『碇君、こっちへ』
シンジは、0号機の大きな目を見つめて立ち尽くしていた。その時、背後からミサトの声が響いたことに気付いて、シンジは身を翻して振り向いた。
「駄目よシンジ君!ここにいなさい」
ミサトは、シンジの首に巻かれたチョーカーのコントローラーをかざして、今にも引き金を引かんとする態度を見せていた。
「なんだよミサトさん……さっきまで要らないって言ってたじゃないか!」
シンジは、感じていた不審を表に出して抵抗する。
「しかし、身柄は私たちで保護します」
「……っ!? そんなの勝手すぎですよ!!」
シンジとミサトの間に緊迫した空気が張りつめる。ヴンダーの機体にぽっかりと空いた穴から、エヴァ0号機の巨大な手が差し出されている。その背後に、一面の青で覆われた空が広がっている。ここは、先の戦闘で空飛ぶ船となったヴンダーと、それが引き連れる艦隊とが浮かぶ大海原だった。ミサトがシンジを止めるまでもなく、艦隊からエヴァ0号機に向かって一斉砲撃が始まった。シンジは強烈な爆風をくらってよろめいた。
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