ダイヤ「それは押し花の様に」
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14:名無しNIPPER
2019/05/25(土) 23:44:33.82 ID:9lPtmwgdO
ひとしきり眺めて、私は海に背を向けます。目的地はこの海では無く、その後ろにあります

私の生家、町の外れの古くからある館の様な家が、私の生まれ育った家です

車を通り過ぎるのを待って、道路を渡る

もう数歩歩いてしまえば、私は家へと辿り着く

帰ったら、家族はなんと言うだろうか。五年も顔を出さなかったことを、咎めるだろうか。それとも、娘の帰りを、笑って迎えてくれるだろうか

使用人の皆にも会いたい、家を空けがちだった両親に代わって、私とルビィの世話をこなしてくれた、いわば親代わりだ。今も居るかは分からないが、居たら、礼の一つくらいは残したい

私は木造りの門に取りつけられたインターホンを鳴らし、返事を待つ

何にせよ、言うことはただ一つだ

ガタリと、カメラの奥で誰かが出た音がした。私はまっすぐ瞳を前に向けて、レンズの向こうと相対する

潮風が、私の髪の間を通り過ぎて流れて行きました










「ただいま」


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