75:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:32:44.43 ID:YWfCY9A20
それでもこちらの世界の沙綾としての日常は続いていくし、机のメッセージも続いていた。
――りみちゃんって、なんていうか動物みたいだよね。
あー、確かに。パンあげた時とかすごい動物っぽい。
そんな他愛のないメッセージには、沙綾も何も考えずに返事を書ける。だけど、
――こっちでも色々とさ、どうやったら戻れるっていうのは考えてるけど……やっぱり何も思い浮かばないんだ。そっちはどう?
という、問題の解決に向かうための言葉には、沙綾はいつも迷ってしまう。
このメッセージに何を返せばいいんだろう。カスミちゃんたちにはあなたのことを黙っているのに、私は何もやっていないのに、どんな言葉を書けばいいんだろう。
胸の内でいろんな感情がぐちゃぐちゃに混ざり合って、自分のことが分からなくなっていく。
……いっそのこと、何も書かないでいようか。
ふと頭に持ち上がった思考に、どこか気持ちが楽になった。心が軽くなったような気がした。
だから沙綾は、その日は何もメッセージを書かずにいようと思った。
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