38:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:02:57.81 ID:YWfCY9A20
「えっと……じゃあつまり、私は違う世界の山吹沙綾になっちゃった、ってこと?」
「そういうこと」
「……どうして?」
「だから知らねーって。沙綾がこんな性質の悪い冗談言う訳ないし、考えられるのがそんな有り得ないことだけなんだって」
とアリサは吐き捨てるように言う。自分の知っている有咲とはちょっと違っているけれど、でもなんだかんだ困ってる人を放っておけない優しい子なんだというのはちょっとの会話の中でも理解できた。きっとその態度も照れ隠しのようなものなんだろう。
「はー……そっかぁ……」
そう思いつつ、沙綾は天井を仰ぐ。見知らぬ部屋で、見知らぬ姿になった友人がいて、鏡を見れば見知らぬ女の子が映る。この夢のような現実をどう受け止めればいいのか分からなかった。
「…………」
「あれ、アリサ……ちゃん、どうかした?」
と、天井から視界を戻すと、何か迷うような顔で自分を見つめるアリサの姿が目に映った。
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