36:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 11:01:38.90 ID:YWfCY9A20
カスミちゃんとサアヤの出会いは、この机に書いたメッセージのやり取りだと聞いた。なら、きっとサアヤも私と同じように、優しいカスミちゃんのメッセージに大きく助けられたことだろう。
姿は見えなくてもひとりぼっちじゃない。時間差はあるけど話し合える友達がいる。
それだけで随分と心が軽くなった。
ありがと。頑張るね。
鞄の中からシャープペンシルを取り出して、カスミからのエールにお礼を返す。気付いたら授業開始の時間になっていた。教室の扉を開けて、先生が室内に入ってくる。
やっぱり空席は半分も埋まっていなかった。その隙間を吹き抜ける寂しい風に身を切られそうだ。でも、カスミからのメッセージを見ればすぐに元気を貰える。
(サアヤに笑われないように、私も頑張らなくっちゃね)
先の見えない空想じみた現実。この先どうなるかなんて誰にも分からないけど、とにかく今は目の前の出来ることをやっていこう。
少しだけ明るくなった気持ちで、沙綾は黒板へと目を向けた。
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