172:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:47:47.03 ID:YWfCY9A20
『――もうひとりの私へ。
あなたがこの手紙を読んでいるということは、私はもうこの世界にいないのでしょう……なーんて、一回書いてみたかったんだよね。
きっともう二度と、こうやってメッセージのやり取りが出来ないって思ったから……最後に、あなたに伝えたいことをここに書いておくね。
まずはじめに、私はあなたに謝らないといけない。
ごめんね。本当にごめん。温かくて眩しい世界の山吹沙綾のことが、羨ましくて羨ましくて仕方なかった。だから、あなたの世界を……陽だまりを奪おうとしてしまった。もう何度も謝ったけど、何回謝ったって足りないくらいだから……本当にごめんなさい。
それとね、あなたのことを心配してくれた人がたくさんいたんだ。
ポピパのみんなは事情も分かってるし名前も知ってるけど、他のクラスの女の子とかやまぶきベーカリーに来てくれた女の子とか……。でも、ちょっとその子たちの名前までは分からなくて……ごめんね。特に、おでこを出した髪型にしてる子とか、すごくマイペースそうな子とか、そういう女の子にすごく心配された。心当たりがあるなら、その子たちとお話してくれると嬉しいな。
あとね、お母さんが言ってたよ。「沙綾はもっとわがままを言うべきだ」って。
その、そう言われた時の沙綾は私だったから……ちょっと甘えちゃった。頭撫でて、なんて言って。もしそのことをお母さんにからかわれたら……諦めて受け入れてね?
それから、学校の勉強に関しては私なりに頑張ってまとめたんだけどさ……やっぱり定時と授業の進み方が全然違うんだ。だから、きちんとまとまりきってないと思う。それもごめんね?
なんだか私、謝ってばっかりだね。
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