124:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:09:51.36 ID:YWfCY9A20
「サーヤ」
柔らかな声で呼びかけられた。机から視線を外して顔を上げると、優しい笑顔を浮かべたカスミがハンカチを差し出してくれていた。その表情が沙綾の中で香澄と重なって、さらに顔がくしゃりとする。
「ごめん……ごめんね、カスミちゃん」
ハンカチを受け取って、目元に押し当てながら、沙綾は震えた声を吐き出す。
ごめんなさい。あなたたちの大切な山吹沙綾を奪おうとして、陽だまりを奪おうとして、本当にごめんなさい。
「サーヤが何に謝ってるのか、分かんないよ。謝られるようなことされてないもん」
「うん……っ、ごめんね」
言葉に詰まる。この優しさを裏切り続けていたことが申し訳なくて、でも、今でも変わらずに接してくれていることが嬉しい。
「ありがとう……かすみちゃん」
「うんっ」
明るい声でカスミは頷く。その声は沙綾を柔らかく包み込んでくれる温かさに満ちていた。
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