50:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:37:13.29 ID:ERzHuNUU0
凛世ちゃんは胸に手を当て、夕日を閉じた。どんな感情なんだろう、どんなことを考えているのだろう。わからないけど、知りたいと思っている私がいる。
そして、分かったことがある。
凛世ちゃんにとって恋は不安なものなんだ。今までは分からなくて、自分なりに手探りで、でも本当にそうなのか不安で。
だから私と一緒で嬉しい。改めてそう考えると、すごい恥ずかしいな。
私ももちろん嬉しかった。私が凛世ちゃんのお慕いしている人が好きって聞いたら嫌われるかと思ってた。だからずっと言えずにいた、そんなはずないと否定していた。
「智代子さんの恋……凛世は応援しております」
「……じゃあ私も! 凛世ちゃんの恋、応援するよっ!」
私は一歩踏み出せずにいた。それは凛世ちゃんが私と同じ人を慕っていたから。じゃあ私はそれを知っているから、と何もできずにいた。
ただ話しかけられて嬉しいだとか、私を気に留めてくれて嬉しいだとか。それ以上の感情を出すことはできないでいた。
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