22:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:17:41.25 ID:ERzHuNUU0
「智代子。私たちにはそのような未来が訪れる。だから、その時はあなたが私たちに『恋』をした時の感情を教えてほしいわ」
「……うん!」
分かったことがある。
23:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:18:33.03 ID:ERzHuNUU0
「でも、その出版社の方はよく智代子を選んだわね」
「えっ? それはどうして?」
「だって智代子は感情豊かだもの」
24:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:19:05.31 ID:ERzHuNUU0
自信満々だ。嘘なんかついていないって、本心でそう言ってるって分かってしまうほど、優しく心強い。だから、本当に嬉しい。
気持ちがパーっと華やかになって心が温かくなる。じわーっと熱が広がる。
「自信を持って書いてみなさい! 感情豊かなあなたならきっと良い答えにたどり着けると思うわ! そう思ってあなたにオファーを出したのよ。私はそう思うわ」
25:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:19:40.93 ID:ERzHuNUU0
文章の方向性を決められる気がする。
あっ……、そうだ。だったら、みんなの『恋』にしよう。そしてそれを聞いて、私が『恋』がどんなものか、自分の『恋』を最終的に見つけ出す。
いいんじゃないかな? 面白そう!
26:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:20:14.35 ID:ERzHuNUU0
「……そうね、アイドルかしら」
「えへへ、やっぱり!」
「なによ、分かってたんじゃない。そうよ、私は今アイドルに恋しているわ。いま、自分自身を高められる存在だもの。でも、好きなのはそんな私だけじゃない」
27:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:20:53.27 ID:ERzHuNUU0
夏葉ちゃんの頬がほんのりと赤くなってる。
「智代子。恥ずかしいから見ないでちょうだい」
「えぇと、ご、ごめんねっ!」
28:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:22:51.06 ID:ERzHuNUU0
◆◆◆
「おーっす。ってアレ、今日はチョコだけか?」
「ちょこ先輩! おはよーございますっ!」
29:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:23:30.90 ID:ERzHuNUU0
「恋?」
樹里ちゃんは私の話を聞いて訝しげな表情を浮かべている。果穂はポカーンとした表情だ。
「そうなんだ。だから2人にも聞いておきたいなーって思って」
30:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:24:05.15 ID:ERzHuNUU0
私が話を切り出すと声色を落として、少しだけ赤く頬を染める。
「私だけじゃ書けないなぁと思って。じゃあみんなに聞いてみようって思ったんだ」
「ちょこ先輩も分からないんですかっ?」
31:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:24:31.91 ID:ERzHuNUU0
「樹里ちゃんのも、果穂のも。分からないなら分からないなりに、聞いてみたいな」
そのドキドキに任せて出した言葉。ちょっとこういうセリフ、恥ずかしいな。
「なんか恥ずかしいけど……チョコの仕事のためだったら、協力してやってもいいけどさぁ……」
32:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:25:17.60 ID:ERzHuNUU0
「果穂はどんな人と話してて楽しいなぁって思ってる?」
「あ、あたしですかっ?! えぇと……あたしは……」
「ああ果穂にはちょっと難しかったかもね。でもそういう会話したことない?」
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