5: ◆uLYDn.hAKU[saga]
2019/05/20(月) 10:58:50.85 ID:tZfbkx5BO
軽く首を振ってカウンターのロックグラスの中身を小さく、一口飲んだ。半端に残った生のウイスキーは溶けた氷と混ざり合い、下の上に流れてきたのはただ苦く不快な液体だった。ため息を漏らすより早く全て飲み干す。とにかく帰りたかった。
冗談じゃないっぽい、と隣で夕立が頬を膨らませたが相手にしなかった。戦闘服の下衣からマネークリップを取り出した。
「本当にもう帰るっぽい?」
「帰るよ。あとは一人で……」
「なら、提督さんの部屋、行っていい?」
また始まった。思わず舌打ちそうになるのをこらえた。
夕立の方を見る。途端に彼女は首をいくらか彼の方から逸らす。右手にはiQOSのホルダーが握られている。彼女の手の中では大きく見えた。へらへらした笑いを浮かべながら、空いた手で頬杖をついていた。
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