17:名無しNIPPER[saga]
2019/05/05(日) 12:46:19.16 ID:OWpqcD6m0
楓さんに小さな袋を差し出す。
彼女はしばらくぽかんとした後、おそるおそるといった様子でその袋を受け取った。
妙にぎこちない仕草に首を傾げていると、
祭りの喧騒にかき消されてしまいそうな声量で、けれど確かに呟いた。
「プロデューサーからの、きゅうこん……」
「……」
ひゅう、と風が吹いた。
オランダは風の強い国だった。
楓さんは小さく丸く口を開けて、受け取った袋を両手で支え、
びっくりするぐらい真剣に見つめている。
俺は忘れていた呼吸を慎重に再開し、一度だけ深呼吸をして、
それから自然な笑みを浮かべてやった。
「あ。やっぱり俺、育ててみようと思います。すみません」
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