70: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/05/02(木) 02:37:45.09 ID:P8JEUw1x0
「大丈夫でした? 迷子になりませんでしたか?」
「う、うん。文香さんに連れてきてもらったから……」
「今日は……Pさんのお話を聞きに来たんですよね?」
ぽしょぽしょ耳打ちしてくる藍子ちゃんは、なんでもお見通しみたいでした。
そもそも夜市のことを教えてくれたのもこの藍子ちゃん。
ということは関係者で、じゃあ、もしかしたら彼女も……?
「はい。私も、Pさんとはここで会ったんですよ」
まるで心を読んでいたように、藍子ちゃんは頷きました。
それぞれのカップにお茶が注がれ、魔法みたいにお菓子がお皿に乗って。
小さな乾杯が、桜舞う広場に響きました。
「……私が話せることも、実際、そんなには多くないのよ」
志乃さんはグラスの赤い液体を一口含み、さっそくそう切り出しました。
「もうっ、志乃さん! またお茶会なのにワイン飲んでぇ!」
「ふふ……ごめんなさい、愛梨ちゃん。だけどこのお菓子、ワインにも十分に合うわ」
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