46: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/05/01(水) 00:14:39.69 ID:3V1PGSXQ0
*
心臓の音が聞こえる。
客席の興奮は冷めやらず、あかりちゃんが去っても、まだ雄叫びのような声を上げ続けている。
隣のプロデューサーさんも、先ほどのステージの余韻に浸っているように、立ったままぼうっとしている。
「プロデューサーさん」
呼びかけると、はっと我に返ったように身を震わせて、こちらに目を向けた。
「わたし……なんか、変っす……」
「お前はいつも変だと思うけど、どうした?」
「なんか、体がふわーっとして、空を飛んでるみたいで。でも、ぜんぜん不安じゃなくて、ドキドキしてて、でも落ち着いてて」
伝えるということは難しい。どれだけの言葉を費やしても、この状態をわかってもらうことはできないだろう。
「……とにかくわたし、早くステージに立ちたいっす」
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