42: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/05/01(水) 00:12:22.71 ID:3V1PGSXQ0
あかりちゃんがハンドマイクを手に取る。
音楽が流れ、リズムに合わせてステップを踏む。
マイクを口元まで持ち上げ、澄んだ声を響かせる。
閃光が煌めいた。
しかし眩しさに目がくらむことはなく、それが実在する光ではないと気付く。これはわたしだけに見えている輝きだと。
反射的といっていい速度で、全神経を集中させた。そうしなければいけないと思った。
視界からあかりちゃん以外のすべてが消える。
流れる音楽とあかりちゃんの声以外の、すべての音を遮断する。
隣に立つプロデューサーさんも、自分の存在すらも掻き消して、世界に彼女ひとりだけが残った。
あかりちゃんが地を蹴る。身を翻す。声を響かせる
ここしばらくの、あかりちゃんが出演したテレビ番組はすべて観ていた。歌って踊る姿も、何度となく目にした。
だけど目の前で繰り広げられているこれは、それらとはぜんぜん違った。発声、動作、視線の移動さえも、ただごとではない技術の塊であるとわかる。
脳裏に甦ったのは歌姫楽宴、杏ちゃんのステージだ。
見るというよりも、目を奪われた。わたしは呼吸することも忘れて、ただその姿を追っていた。
今のあかりちゃんのパフォーマンスからは、あのときの杏ちゃんに近しいものが感じられた。
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