元勇者「役目も終えて暇だから孤児院開いて安価でグダグダ過ごすぞ」
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63:名無しNIPPER[saga]
2019/05/02(木) 00:04:55.45 ID:3XWWHE570
「ふーむ…」

梟の鳴き声と、ページを捲る音だけが聞こえる教会。その音源は勇者の読む本だった。

「分からん。聞いたことのない言葉ばっかりだ」

教本を閉じ、背もたれに身体を預ける。学の無いポンコツ頭に、専門的な知識が入っていくわけがなかった。

「やっぱり、小学校に通うべきなのかねぇ。教える側の神父が、何も知らないってのも大問題だ」

「しかし、孤児院を経営しながら通うのも…。それも大人が…。ううむ」

冷水にチビチビと口を付け、ランプの灯を消す。月明かりに照らされた勇者の髪が、白く煌めいた。

「…神父様…?もう、皆寝てるよ…?」

「大人はやることがあるからいいんだよ。そう言うミラだって、夜更かししてる」

「う…。私のことは兎も角、神父様は何をしてたの…?」

「勉強だ。つっても、こんなダメダメな頭に知識は何一つ入らないんだがな」

空になったコップを流しに置き、勇者は牧師服を脱ぐ。

「今日は店仕舞いだ。ミラもさっさと寝なさい。大きくなれませんよー」

「あ…あの…!」

ミラが、ずいっと一歩前に出る。本で隠れてはいるが、頬に赤みが差しているのは分かった。

「わ…私で良ければ…一緒に勉強する…けど…?」

目を逸らしながら、そんなことを言うミラ。クッソ可愛いんですけど。

勇者も、微笑しながらそれに答えた。

「…そっか。じゃあ、お願いするよ。隣に座ってくれ」

「う、うん…!」

トコトコと近寄り、隣の椅子に座るミラ。再度灯りを点け、仄かな光の下で本を読み続けた。


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