元勇者「役目も終えて暇だから孤児院開いて安価でグダグダ過ごすぞ」
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名無しNIPPER
[saga]
2019/04/29(月) 16:20:23.13 ID:yp8ANoUJO
翌日。早朝だというのに、乱暴に玄関を蹴る音が聴こえてくる。
ここは勇者の家なるぞ。無礼を働くとはいったい何者の仕業だ。
寝惚け眼を擦りながら扉を開ける。そこにいた人物に、勇者は驚愕した!
「ふっふん。来てやったぞ、勇者!」
「…お嬢様。流石に無礼だと思います」
「む。ローアの顔の方が無礼だ!」
嘘だと信じたかったが、そこにいたのは魔族だった。見間違えるはずもない。
一人は魔王に連なる血筋の者で、もう一人は決戦時に殺めた四天王の面影を残している。恐らく子孫だろう。
何故、ここに。もしや、敵討ちに来たのだろうか。虚空から片手剣を取り出し、勇者は構えた。
「ストーップ!妾は戦いに来たのではない!お主の手伝いに来たのだ!」
「はい〜!?敵対関係の人間を助けるなんておかしくないですか〜!?っていうか助けるってなんですか〜!?」
「孤児院を経営するのだろう!?そのお手伝いに決まってるではないか!」
「…オーケー。一旦落ち着こう。茶を出すから入ってくれ」
「焦っていたのはお主だ馬鹿者」
年上に向かって馬鹿とはなんだ馬鹿とは。
「お主より長生きしているが」
なん………だと………?
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